カイロからヌエバへ

 カイロでの生活にも慣れてきた私は、以前から興味のあったヨルダンとシリアへの旅行を計画しました。カイロからヌエバまでは長距離バス、そこからヨルダンのアカバまではフェリー。そしてヨルダンとシリア国内はバスで移動して最後はシリアからエジプトまで飛行機、というルートです。時間はあるけどお金は無い、という状況だったので宿もその場で安いところを探すつもりで出発しました。
 夕方カイロを出発して真夜中にヌエバに到着。朝フェリーが出航するまで待合室で雑魚寝。9時間近く狭いバスに乗ってたので足首が紫色に張れあがり歩くのもやっと。病院は勿論、薬局も無いので水で冷やしながら朝を待つ。今思うと「エコノミー・クラス症候群」だったのかも・・・、危なかった。
 真っ暗な中ヌエバ港に着いたので翌朝外に出るまでどんな所かわからず、出てみてビックリ。真青な空と海。形容しがたい山々。同じエジプトとはいえ、あまりの違いに言葉を失う。とっても綺麗。
 何時間も遅れてやっと出航。出航までの手続きも時間ばかりかかっていい加減グッタリ。
 出航手続きが済んで待合室で待っていると向かいのイスにアラブ人の親子連れがいて母親が中学生くらいの男の子にヒソヒソ耳打ちしている。東洋人が珍しいのかなと、思っていたらいきなりその男の子が私の前まで来て「出国の手続きは全部済みましたか?」と英語で聞いてきた。ビックリしながらも「大丈夫」とチケットとパスポートを見せると、なんと大事な手続きを一つ抜かしていたことが判明。その子に通訳してもらい、もう一度並ぶ事も無くスタンプを押してもらった。そのまま出国していたらと思うと冷や汗もの。 それがきっかけで色々と話をした。ヨルダンから来た親子で母親と息子、娘と伯母さんの4人。エジプトに旅行に来たとの事。彼らが言うにはヨルダンより銀製品が安いらしい。 
 いよいよ乗船。いままでに乗ったことの無い大きいフェリー。ワクワクして乗ってみたら、客室は勿論のこと通路やデッキにも人があふれている。サウジアラビアへ出稼ぎに行くひとがほとんどで、観光目的で乗っている人は僅か。このままサウジに連れて行かれるのではないかと不安になる。
 あの親子が席を見つけてくれて座るがものすごい暑さでジッとしていられない。ヒマなので隣で寝ている黒尽くめのアラブ女性を観察。黒い服とベールだけだと思っていたが、黒い手袋もしている。それも寝返りを打って袖がめくれても肌が見えないということは、肘より長い手袋だ。足も同じで黒いスパッツのようなものをはいているらしい。とくに汗をかいている様子もなく見ているこっちが汗びっしょりに。男の子と一緒にデッキに出てみる。海はとても綺麗な青色で底まで見えるようだ。
 やっとヨルダンのアカバ港に到着。しかし予定時間をはるかに超え外は真っ暗。ヨルダン人のお母さんに「困ったことがあったら連絡するように」と電話番号と住所を書いたメモをもらい、その場で別れる。足の腫れはまだ引かず痛い。
 入国とビザの手続きをする部屋へ入ると前に並んでいるお婆さんが「見て、あれ。まったくイヤになっちゃう」とでもいっているかのようなゼスチャーで私に同意を求める。見ると同じフェリーでフェロモン出しまくっていた白人のおねーサン2人組。胸の谷間丸見えのシャツと単パンでこっちが恥かしくなってくる。入国手続きも両替もなぜかお婆さんがリード(?)してくれ無事終了。
 外は真っ暗で途方にくれていると「ホテル決まっているの?」と女性の声。振りかえるとあのおねーサン2人組。ビビッている私にお構いなく「いつも泊まってる安いホテルがあるの。一緒に行く?」とのお誘い。港に一人いてもしょうがないので、とりあえずついて行くことに
 着いたのは町の中心部にある小さなホテル。常連なのかおねーサン達はさっさと部屋へ。私も予算内の値段だったのでここに泊まることに。翌日出発のバスターミナルも歩いて行ける距離で、なかなか良いホテルだった。明日はペトラへ。


ペトラへ

 バスでペトラへ。ここは映画『インディ・ジョーンズ3』の撮影に使われたことでも有名なナバテア人の遺跡。今回はちょっと奮発してペトラ遺跡の入口にある国営のホテルに宿泊。綺麗なホテルで、食事も美味しかった。
 初日は馬に乗って神殿まで行く。帰りは歩いたがかなりの距離。翌日は朝一番で入場して全て徒歩で挑戦する。
岩山を切り開いて道を造った。この道を馬に揺られてちょっとインディの気分。 細い道の突き当たりにこの神殿「エル・カズネ」がある。細い道がぱっと開けて、目の前にこの神殿が見えたときは、ものすごく感動します。
岩がバラ色なので、その岩を掘った神殿もバラ色。それにしても、どうしてこんな所にと思わずにいられません。
中にはただの四角い3つの部屋があるだけ。

岩にはこんな色と模様が。

バラ色の神殿をぬけるとさらにローマンシアター(円形劇場)や岩に彫られた神殿があります。

さらに岩山を約1時間登ると頂上に神殿「エド・ディル」が。苦労して登った甲斐があります! ここも中はただの四角い部屋のみ。

岩山を彫って造られた神殿には、横の山を登って神殿の上(屋根の部分)まで行くことができます。写真の向かって左側に数人登っているのが見えるでしょうか?
歩いている途中の岩にも穴が沢山あいていて、カフェやお土産物屋になっていました。
 歩いている所はどこも岩山に囲まれていて、またその上の方に綺麗な彫刻や入り口があるので上ばかり見て歩いていたらひっくり返ってしまった。各国の旅行者が「大丈夫?」と集まってきて本当に恥かしかった。腕は赤むくれで血も出ていたが「ありがとう。大丈夫です。」と先へ急いだのでした。 
 バスでいよいよヨルダンの首都アンマンへ。予定では夕方到着なのですが・・・。