ダマスカスへ

 5日もお世話になったアイマンの家も今日で最後。朝バス停までお父さんが送ってくれた上、乗るバスの手続きもしてくれた。一期一会とはよくいったものだ。今回の旅行だけではなく、エジプトに来てから本当に「人には親切にしよう」とつくづく思う。
 長距離バスに揺られてやっと国境付近に到着。出国&入国手続きにバスを降りる。よく解らないまま列に並びパスポートと書類を出す。「そっちで待ってろ」と言うので窓口近くをブラブラしているといきなり「ジャパニーズ!」と呼ばれる。回りを見まわしても日本人というか外国人は私だけなので窓口に行き手続き終了。思ったより簡単でちょっとがっかり。

 いよいよシリアとヨルダンの国境を横断! でも木の棒をどけてバスが普通に通るだけ。陸地での国境越えが初めてだったので何かすごい事を期待していたが、なんだかあっけなかった。変に期待しすぎかな・・・。
 ダマスカスに到着。街の中心地のビルに入っているボロホテルにチェックイン。他の部屋は長期滞在のバックパッカーらしき人達でうまっている。今は使われていない駅の横にあり、見える物は線路だけ。トイレとシャワーにはビックリ。ドアを開けると便器。そのほとんど真上にシャワーがついているのです! どうやって使うの? シャワーを使うには便器が邪魔。シャワーを使えば便器は水浸し。まったくトホホなトイレ&シャワーでした。 
 時間があったので博物館へ行く。ここは見ごたえがありました。帰りにお土産を少し買ったら、おじさんが「日本人だろ? もっと沢山買わないのか?」と言う。 えっ?と思って聞くと、ツアーで来た日本人観光客が近所や孫に配るといって色んなものを10個づつ買ったらしいのです。他の人もかなりの数を購入したらしく、一つ二つしか買わない私が変に見えたのかも。
 当時の日記を読むとこう書いてある。『街中の人がジロジロ見て、親切じゃないし、英語も通じないし、タクシーも止まらない。イヤな街』。 でも本当に初日はこんな印象だったんです。観光客なれしていないのか、つれないというか・・・。しかし旅行中一度もバックシーシ(チップ)をねだられたことはありませんでした。親切な人はいましたが誰も見返りを求めません。これが本来の姿なんでしょうが、なんでもカンでもチップチップのエジプトになれていたので少し寂しく(?)感じたのかもしれません。
「もう、早くエジプトに帰りたい!」という気持ちからシリア初日にして飛行機の予約を変更しました。10日滞在予定を1週間に縮めてシリアの旅は始まったのでした・・・。 

貨物列車は動いていました

問題のトイレ&シャワー

アレッポ

 バスでシリア第2の都市アレッポへ。到着したもののホテルはどこも高く、カードも使えない。その上支払いはUSドルのみ。何件かまわってやっとホテルを決める。
 歩いてスーク(市場)とアレッポ城を見に出かけかる。が、金曜日だったのでスークはお休み。巨大スークとして有名なので見られなかったのは残念。野菜を売るスークは開いていたので昼食用にりんご1kgを買う。なんと約40円! 青くて小さなりんごだが、とても甘い。美味しいりんごをもってアレッポ城へ向かう途中、変な男の人がついてくるのに気が付いた。こっちが立ち止まると向こうも止まる。ニヤニヤしながらずーっとくっ付いて来る。それでなくてもシリアの印象が悪いのに本当にイヤになってしまった(T_T)
人通りも無くなんだか怖いので、道を聞くふりをして小さな工場に飛び込むと、親切なおじさんがお城まで案内してくれることになった。変な男性は暫く私達を見ていたが諦めたのか、それ以上ついてこなかった。
 アレッポ城はとても大きくて本当、お城って感じ。坂を登っていくと、所々にアラビア語の装飾があり美しい。一番上まで登り一人のんびりしていると今度は黒ずくめのおばさんが私の真横にぺったりくっついて様子を見ている。長いあいだ人のことをジロジロ見て、あまりにも失礼なので、つい『何見てんのよ!向こう行ってよ、おばさん!』と怒鳴ってしまった。おばさんは訳もわからずポカンとしていたが、そばにいた女学生がわざわざアラビア語に訳してくれた(^_^;) のでおばさんはビックリして走り去りました。 今思えば東洋人が珍しくて見てただけなんでしょう。いつもだったらジロジロ見られても「私、日本から来たんですよ。ここはキレイな所ですねー」なんて会話が出来たと思うのですが・・・。どういうわけか、がまんできなかったんですよね。本当に大人気無い。「人には親切にしよう」、と思ったばかりなのに。
 なんだか暗い気分でお城を出ると、目の前に小さな売店があった。コーラを買うと売店のおじさんが「これ日本の番組だろ? 面白いなー」と言って小さなTVの前に手招きする。そこで数人のおじさんたちが見入っていたのは『風雲!たけし城』。色々な仕掛けを乗り越えてお城に攻め入る、という番組でアラビア語の字幕入り。 皆、笑い転げていて、こっちまで楽しい気分になりました。一緒に見ていた子が博物館まで案内してくれるとの事。さっき怒鳴ったばかりなのに、親切にしてもらうと申し訳無い気持ちになってくる。
 
アレッポ博物館は広さのわりに展示物はスカスカな感じ。シリアの古代遺跡の彫像はみな独特な手の組み方をしている。日本人から見ると『もみ手』をしているようだ。「いかがですか? お安くしときますよ」とでも言い出しそうな神官や王様ばかり。

(追記:これは『祈りのポーズ』らしいことが判明。『もみ手』じゃないようです・・・。)
 博物館からホテルまでの道を歩いているとリヤカーに茶色いシッポのようなものが沢山積んである。何かお菓子らしいが形が妙だ。売ってるおじさんは「とても美味しいよ」と言うが、やっぱり形が変。一応、2つ買ってホテルに戻る。
たこ糸にグミがくっついているような感じで、味は駄菓子屋で売っている『きびだんご』のようだった。グミのようなボンタンアメのようなあの『きびだんご』です。節のように膨らんだところにはナッツが入っていました。
 後日、友人に何だと思うか、謎のお菓子の写真を見せたら「動物のアレ?」とか言い出すのでお菓子より友人にびっくり。いったいどんな動物だ? このお菓子の名前や原料をご存知の方は是非教えてください。とても気になります。
 2日で見てまわるつもりが1日で済んだので、またまた予定を切り上げて明日デリゾール経由でパルミラへ行く。

アレッポ城

アレッポ城の前で『風雲たけし城』を見るおじさんと


アレッポ博物館入口

衝撃のお菓子・・・