9日目~
11日目
・太陽の都市へ
・ヘリオポリスのオベリスク
・さらばエジプト
 
 
今日はお昼前の飛行機でゆっくりカイロへ戻る。ナイル川を見ながら朝食をとった後、ムハンマドに空港まで行ってもらう。今回は良いドライバーと出会え、楽しく過ごすことが出来た。エジプトに来て2日間で予定の遺跡を見終わってしまったときは「まだ1週間もあるよ」と思ったのだが今日で最後。
 空港に到着。チェックインカウンターへ行くとぎりぎりまで始まらないようで1時間以上ある。ロビーにはエジプト人のおじさんひとりだけ。お土産屋さんも半分は閉まっている。アミル・ディアブの曲がガンガンかかっているお店に近づくとアミルと同じようにあごひげをはやしたお兄さんが出てきた。「うわっ、真似てるの?」と思いつつカセットやCDをチェックする。特にほしい物は無いが、時間がたっぷりあるのでゆっくり見てまわる。フラフラしていると一番乗りのエジプト人のおじさんが「チェックインが始まったよ」と親切に呼びに来てくれた。チェックインを済ませて今度は搭乗口近くのお店をフラフラする。この頃になってドドッと混雑してくる。なんと半分以上は日本人の団体客。私を含め日本人観光客はエジプト観光に多大な貢献をしているな、とあらためて思う。
 さて、これはカイロ郊外に行ったときも感じたのですが、カイロ上空の雲は変です。地上からある一定の高さまで黒い雲で覆われているのです。日本で見る雨雲のような黒い雲です。行ったのが1月だったこともあり、「雨降るのかな?」とも思いましたが多分アレは排気ガスとかの影響でしょう。飛行機に乗っていてもカイロに近づくと例の黒い雲が見え始めました。以前は、こんな雲見たことが無かったので、環境破壊が進んでいる証拠かもしれません。
追記:最近あるTV番組で知ったのですが↓この黒い雲は『ダストドーム』と呼ばれるものだそうです。都市部では、建物や道路にたまった熱や、室外機などの人工排熱で郊外よりも温度が高くなる為、上昇気流が生じ、地上では郊外から都心へ、上空ではそれと逆の循環流が発生します。その結果、汚染物質が都市をドーム状に覆う場合があり、それを『ダストドーム』というそうです。やっぱり環境破壊のひとつだったのですね。

  アブシール遺跡から見た、黒い雲(ダストドーム)
 カイロ空港に到着後、まっすぐホテルへ。以前からヘリオポリスのオベリスクを見たいと思っていましたが、今日までその機会がありませんでした。バス停まで少し歩くのでホテル前のタクシーで行くことに。
 しかし、ドライバーが悪かった。よくあるパターンだが、この手合いは久しぶりだ。最初に決めた金額を目的地の途中でつりあげてくるのだ。「ふざけるなよ、おやじ!」とばかりにガッーと文句を言って途中で降りてしまった。(^_^;) ちょうどスーパーがあったのでそこで買い物をしているとおやじがついて来て「外で待ってるから」。「今更しおらしい顔したってだめだよ!」と思いつつもこの場所じゃタクシーをつかまえることも出来なさそうなので、またおやじのタクシーに乗る(^^ゞ。 目的地は言ってあるので、一言も口をきかずオベリスクまで。いや~なムード、想像つくと思います。空港近くのホテルから観光に行く人はまずいないでしょうから、「稼ぎどきだ!」と思ったのか、女一人だからなめられたのか、ひーさびさの「ぼるタクシー」なんで頭にきちゃいました。
 皆さんご存知のように乗る前に料金を決めるのは基本ですが、それプラスαってのはよくある事です。思った以上に目的地まで行くのが大変だった、時間がかかった(遠かった)、それなりのサービスをうけた(含チップ)、許せる範囲の(予算内の)値上げ(^_^;)、納得しないが時間が無い等しょうがない場合・・・e.t.c.
深夜とか危険がなさそうなら軽く喧嘩して降りるのも面白いですよ。弱気になっちゃいけません。降りたところで誰かに声をかければ必ず助けてくれます、エジプト人は。(もしあなたが女性なら、なおのこと)
 オベリスクがあるあたりは下町というか、かなりひどい地域です。日本から行けばカイロの中心部でもゴミゴミしていてびっくりすると思いますが、それ以上に強烈です。商店が続く通りを進むと、突然にょきっとオベリスクが見えてきました。記念碑のように一本だけポツンと立っていると思っていたので公園になっているのにはビックリ。入り口前でチケットを購入。入り口付近にも遺物がごろごろしている。公園内はきれいに整備されており、その真中にオベリスクがそびえ立っている。
 入って左側に池(?)のような所があり、その中に展示物が色々あった。池といってもほとんど水は無く、ゴミが浮いていてドブのよう。そこにわざわざ遺物を置くのは元々あったからなのか?不思議に思いつつ写真を撮ろうとすると「ラー!(だめ)」と叫びながらおばさんが走ってきた(怖っ)。「だめ、写真はだめ!」と言うおばさんの迫力に負け「どうして?」と思いながらも退散する。(ドライバーとの戦いで余力無し)
 池の隅の方にも色々と遺物が展示してある。良いものもあるのに、どうして綺麗に保存しないのだろう。写真を撮り終わり池に戻った。やっぱりドブの中の遺物の写真も撮りたいのでツーリストポリスに「撮っていい?」と聞くと即座にOK。またおばさんがやって来てポリスと話をしている。なんとおばさんは私がドブ(&ごみ)の写真を撮ると思ったらしい。『エジプトってこんなに汚いの』って写真を日本に持って帰ると思ったのだろうか。(ここで書いちゃったけどね)おばさんは私に謝ると公園を去って行った。
  汚い池の中
 ヘリオポリスについて少し。ここは古代エジプトで太陽神ラー崇拝中心地のひとつで、最古の太陽神殿が造営された場所(古代名:オン)だった。アブ・グラブの第5王朝ニウセルラー王の太陽神殿(リガのピラミッド。「ピラミッド巡礼」を参照)はヘリオポリスの太陽神殿を原型にして作られたと考えられている。現在残っているのは中王国(第12王朝)時代のセンウスレト1世のオベリスクと神殿の断片のみとなっている。
  センウスレトのオベリスク
 公園の向こう側は空き地のようで、子供達がサッカーをしていた。公園内ではお年寄りがボーっと座っていたり、デート(?)らしい若者が少しいるだけでゆっくり見学できます。もし時間があったらここまで足をのばしてみてはいかがでしょう。たまには、うらぶれた遺跡(?)もいいものです。(くれぐれも悪徳ドライバーには注意)
 さっさとホテルに戻り荷物整理。明後日は成田から会社へ直行。楽しい時間はすぐに過ぎてしまう・・・。
 早朝出発の飛行機なので朝4時にルームサービスを頼む。それにしても寒い。初日のカイロもそうだったが、ここはもっと寒い。エジプトのホテルには暖房がないがここには付いていた。しかし少しも暖かくならない。しょうがないので東京で着ていたコートとマフラーを出して部屋の中で着る。冬にエジプトに行く寒がりの人は要注意です。暑がりの私でも寒かったですから。
 早めに空港に着き、チェックイン。カウンターの女性は日本語を流暢にしゃべるエジプト美人。「たいしたもんだ」と感心しているうちにチェックイン終了。個人旅行の方はリコンファームを忘れずにしましょう。今はリコンファーム(予約再確認)は必要ない航空会社がほとんどですが、エジプトは別です。ダブルブッキングや取り消しはいまだにあるようです。搭乗日の3日以上前には確認したほうが安心です。私はカイロ最終日、ショッピングのついでに英国航空のオフィスに行きました。電話でもOKですが、私はオフィスも見たいので(^_^;)直接行くようにしています。ミダーン・タハリールの英国航空はカウンターではなく、一人づつ呼ばれて担当者の部屋でのチェックインでした。大きなデスクの前に座らされ、なんだか面接(?)のようでした。普通は日本と同じく番号の券を取って、番号が表示されたらカウンターに行く、というのが多いようです。
 出発ロビーでは使わないエジプト・ポンドを外貨に交換できます。ただしレートは良くないので外で使い切るか、お土産として持ちかえるほうがいいかもしれません。エジプトの紙幣は遺跡やファラオが描かれていてなかなか素敵です。しかし、日本じゃありえないほど汚いお札もあるので銀行などで両替したときはその場で交換してもらいましょう。どんなに混んでいようとカウンターからは離れないで、その場で数えて更に交換してもらいます。後ろの人が来たら横にずれて、決してカウンターからは離れない。300ポンドとかでお札の数が増えると足りない事があります。これは『誤魔化す』ということではなく、単に間違えです。足りないことを言えば、すぐ出すはずです。外国人の多いホテル内の銀行では目の前で数えるので足りないことはないですが、汚いお札は混ざっているので確認を。
 名残惜しむ間もなくロンドンに到着。ここでの待ち時間はショッピングにちょうど良い長さです。行きにチェックしていたお店へ行ったらバーゲンセールになっていた。あれこれ買ったら店員さんが「あと5ポンド買えば10%の割引になります」と言う。「買ったほうが良いわよ」と知らないおばさんまで声をかける。小物を1つ追加して会計。かなり安い買い物になった。更に帰りの長旅に備えて雑誌とお菓子をたくさん買う。
 帰りもロンドン-成田間は長かった。行きに見なかった映画4本をしっかり見る。やっとのことで成田到着。ここも寒い。1月中旬だから当たり前だが、ルクソールで真っ黒になった数日前を思うと「帰って来ちゃったんだな・・・」と少し寂しい。しかし、会社へ向かう成田エクスプレスの中では【次はいつ行こう、どの遺跡に行こう】と思案している私がいるのでした。 =終わり=


 今回の話を読んでいただき「エジプトに行きたいな」とか「エジプトって面白そう」なんて少しでも思っていただけたら嬉しいです。最終日には喧嘩しちゃいましたが、これもエジプト。実にカラッとしております。久々に洗礼を受けた、という感じです。
 行くたびにちょっとしたハプニングがあって、エジプトって本当に楽しいです。 皆さんもエジプトを満喫して来てください!



        



Copyright © 2000 - 2008 The secret chambers of Thoth