第3日目:全部工事中? (2004.10.9)

 今日もゆっくりホテルを出発。まずはタイム・テーブルを購入するため、ラムセス中央駅へ向かう。駅のシンボルにもなっているラムセス像は移動するのか足場を組んで工事中でした。そのせいか駅前はものすごく混んでいる。
 正面入り口から入って手前はアレキサンドリア方面、地下をくぐって駅の向こう側はアスワン方面の汽車。切符もタイム・テーブルもそれぞれのホームでないと購入できない。アスワン方面の窓口に向かい、タイム・テーブルを買っていたら大学生(?)くらいの男性が「日本の方ですか?ルクソールに行かれるんですか?」と声をかけてきた。ルクソールに行くので待ち合わせ場所に行ったが現地ガイドが来ないので自分でチケットを買いに来たと言っている!!! でも代金はすべて日本で支払っているらしい。買っちゃう前に日本の旅行会社や現地代理店に連絡をしたほうが良いんじゃないかとアドバイスしたが、「着いたばかりで何だかよくわからなくて・・・」といいつつチケットを買ってしまっている。なんだか頼りないなー。大丈夫だろうか? エジプトを楽しんで無事帰国しているといいんだけど。
 タイム・テーブルを購入後、地下鉄でオールド・カイロへ向かった。地下鉄に乗るのは久しぶり。マリ・ギルギスまでのチケットは75ピアストル。約14円? 安い!
チケットを買ったがホームがわからないので女性に乗り場を尋ねると、行き先が同じ方面らしく一緒に行くことになった。ガイドブックにドアの閉まるのが早いので気をつけるよう書いてあったが、女性専用車両に並んだせいか、ものすごく混んでいて私のディパックをかすめてドアは閉まった。危なかった。
乗ってしまうとたいして混まずにすぐマリ・ギルギスに到着した。案内してくれた女性にお礼を言って地下鉄を降りる。オールド・カイロに来たのはフスタートが見たかったからだが、せっかくなので駅前のコプト博物館へ寄ることにした。駅の周りはやけに警察官が多い。外国人の観光バスも沢山とまっている。しかし、博物館はお休み。金曜でも無いのにと思い警官に尋ねると工事中で閉館とのこと。知らなかった。
 しょうがないので今度は歩いてフスタートへ向かう。すぐに荒れ果てたフスタートが見られると思っていたが、どこまで行ってもゴミ捨て場のような所しか見えてこない。気温もかなり上がってバテてきたので近くにあるフスタート陶器センターへ寄ることにした。入り口で名前や国籍などを記入して中を見学する。先生のような男性が案内をしてくれた。フスタートから出土した古い陶器などを展示しているのかと思っていたが、ここはフスタートの土を使って職人や学生(芸術家?)がつぼなどの芸術作品を作っている場所だった。陶芸などにはまったく興味が無いので正直「しまったー」と思ったが熱心に案内してくれるので最後まで見学をした・・・。敷地内にもうひとつ建物を建設中でそちらはテキスタイル・センターでまた職人や学生などを育てていく予定との話だった。私の見たいフスタートはもう少し歩かないとダメらしいのであきらめてタクシーで水道橋を通ってイスラーム芸術博物館に行った。
ここで乗ったタクシーも昨日のドライバーと良い勝負だった。やっとの思いで水道橋を見て博物館へ到着。到着したものの、なんとここも休館だった。どう見ても工事中。とほほ。
久しぶりにシタデルやアタバ市場へ行こうと思っていたのだが、そんな気力はなくなっていた。今回の目的のひとつでもある笛を買いにムハンマド・アリ通りへふらふらと向かった。 


 
フスタート陶器センター中庭   水道橋の一部


 イスラーム芸術博物館からアタバ広場へ続くムハンマド・アリ通りは民族楽器店が並んでいる。どの店にするかは決めていなかったが、なんとなく入ったお店は大当たりだった。 
ものすごく狭いお店だが父親と息子が愛想よく葦製の横笛ナイを見せてくれた。息子はダルブッカ(太鼓のような打楽器)の演奏家でナイも上手に吹けるので即席吹き方教室が始まった。彼は簡単にピーピー鳴らすが私の笛はまったく鳴らない。私は一番安いお土産品のような笛を使っていたが、もっと良い物もあるそうなので見せてもらった。装飾も綺麗で重々しい感じがする。なにより音色がまったく違う。彼が一曲演奏してくれた。聞いていると目の前に『月夜のナイル川のほとり』が浮かんでくる。綺麗で悲しい音色だった。
息子の後ろでおとなしく座っていたお父さんは、息子が吹くとガラベイヤの袖口で涙をぬぐう真似をし、私がブーブー吹くと近くにあるクッションを赤ん坊に見立てて叩きながら寝かしつける真似をしてふざけている。笑って練習にならないのでお父さんは通りに追い出されてしまった。
練習の成果は無かったが、とりあえず一本買うことにした。私はせっかくなので息子が吹いていた高いナイを買うつもりだったが、これはプロ用だからと言ってさっさとしまわれてしまった。ビギナーはこれで十分と観光地で子供が売っているようなちゃちなナイを渡された。上手に音が出せるようになったら売ってくれるらしい。
お茶目なお父さんにも挨拶をしてホテルへ帰った。
ホテルに戻ってからさっそく吹くと簡単に音が出た。コツがわかったので夕食までピラミッドを見ながら練習をしていた。エジプトまで来て笛吹くことないんだけど・・・。

私が吹くとチャルメラのような音に・・・
  




            第4日目:ピラミッド満喫 (2004.10.10)

 今日は8時にチェックアウトをして8時半にはダハシュールへ向かった。ドライバーは昨日のうちに交渉しておいたサアド。ちょっと胡散臭いがきっちり仕事はしてくれそうなのでお願いすることにした。なんの問題もなくダハシュールに到着。赤のピラミッド、屈折ピラミッドともにゆっくり見てまわる事を伝えて見学出発。
ピラミッドは私一人の貸切。約30m登り次にピラミッドの中を約60m降りる。この時点で足はガクガク。中は以前来た時よりかなりアンモニア臭い。内部を色々みてからまた60mを登る。この頃には日本のツアー客でピラミッドの通路もいっぱいになってきた。転げ落ちることも無く無事地上に到着。ピラミッドの周りを一周する。
ピラミッドの裏側にまわって驚いた。白いゴミ袋が風でピラミッドに張り付き白い花が咲いたようになっていた。一体誰がこんなところにゴミを捨てるのだろう? 
 車で屈折ピラミッドへ向かう。このときサアドに「どうして日本人はダハシュールに来たがるのか?」聞かれた。個人でもツアーでも日本人以外あまり見に来ないらしい。
屈折ピラミッドも観光客はまだいなかった。前回来た時には衛星ピラミッドを見損なったので、ここもゆっくり一周する。途中でアメンエムハト3世の黒のピラミッドが見えたので見に行ってもいいかツーリストポリスに聞くと「マーフィーシュ・タリーク(道がないよ)」。たとえ道がなくても行けると思うが、怪しまれたのかツーリスト・ポリスがついて来るのでおとなしく屈折ピラミッドだけを見学した。衛星ピラミッドもしっかり見てサアドのタクシーまで戻るとまだお昼。ここで更に交渉して一昨日行けなかったアブ・ロワシュに行くことにした。


  
ダハシュール 赤のピラミッド

  
  ダハシュール 屈折ピラミッド
  

 
  
なつめやしの収穫時期だった
 
  アブ・ロアシュへの途中
洋ナシのような果物を買う

 アブ・ロワシュには以前フランス人の観光客を連れて行ったことがあるらしく自信満々。アブ・ロワシュ村で、ガイドの資格を持っている知り合いを案内役として乗せて先に進んだ。何回も行っているらしくとても詳しかったが、頼んでもいない所を登ったり降りたりして本当怖かった。最後にはダハシュールでの疲れもあって足がもつれてコケてしまった。左足から出血。昨日といい今日といい、エジプトまで来て何やってんだろう? でも楽しかった!
 今朝チェックアウトしたメリディアン・ピラミッドに戻り、荷物を持って今日からの宿泊先ラムセス・ヒルトンへ向かった。タバのヒルトンホテルがテロで爆発された影響で敷地の中にタクシーで入るのに時間がかかった。着いたものの部屋の用意ができていないので夕方5時過ぎまで待たされた。ロビーは待っている客でごった返して座る場所も無い。宴会場でバザーをやっていたのでぐるっと見てまわる。案内してもらった部屋はナイル・ビューのまあまあ広い部屋だった。
 


アブ・ロアシュのピラミッド
深さは約21m

中途半端な場所に立っているのは私
  
  左の写真の上部から下をのぞく
怖かった
  


 夜8時頃、一段落ついて明日の用意をしているときあることに気がついた。デジタル・カメラのSDカードが無い! アブ・ロアシュで1枚目が一杯になったので新しいものに取り替えたはず。たしかコケて怪我した後に取り替えて、ジーンズのポケットに入れた・・・。しかし、ポケットの中にもディパックの中、部屋にもどこにも無い!!!
全身から力が抜けて、頭の中は真っ白。4日間の思い出が消えてしまった。やっとの思いで行った場所ばかりなのに・・・。
とりあえずホテルのロビーに探しに行ったが勿論見つからないのでフロントとセキュリティー担当者に紛失物の届けをだして部屋に戻った。明日はファイユームへ行く予定だったがそれどころじゃない。メリディアン・ピラミッドからラムセス・ヒルトン・ホテルまでのタクシーの中かもしれないし、アブ・ロアシュで落としたかもしれない。とにかく明日、メリディアン・ピラミッド・ホテルに行ってみよう。それでも無かったら諦めるしかない。
この日、私らしくもなくなかなか眠ることができなかった。

         


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